敬老の日と民法相続編の改正について

敬老の日と民法相続編の改正について ブログ

 こんにちは!
 今日は敬老の日です。高齢者を敬う日です。
 2002年までは毎年9月15日を敬老の日としていましたが、2003年からは、9月の第三月曜日と決まっているようですね。
 発表されたニュースによりますと、65歳以上の高齢者は過去最多の3625万人となり、去年より2万人増えて、65歳以上が総人口に占める割合も去年に比べ0.2ポイント増え、29.3%と過去最高で、世界200の国と地域の中で最も高くなっているようです。
 さて、このように超高齢社会の日本ですので、毎年のように民法の相続編の改正が行われております。様々な制度が改正されたり、創設されたことで、国民の利便性が増していますが、なかなか周知されるのは、厳しい状況ですね。最近の法改正の一覧を示していきます。      

1.法定相続情報証明制度の創設(2017年5月29日施行)

 この制度を利用すれば、認証後の法定相続情報一覧図は戸籍謄本一式(戸籍の束)の代わりとなりますので、被相続人の預貯金解約や相続登記などに使用することができるようになりました。

2.遺留分制度の見直し(2019年7月1日施行)

 遺留分を侵害された人は、遺贈や贈与を受けた人に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をすることができるようになりました。遺留分侵害額請求をされた人が金銭をすぐに準備できない場合には、裁判所に対して、支払いの猶予を求めることもできるようです。

3.特別の寄与の創設(2019年7月1日施行)

 相続人以外の被相続人の親族で、無償により被相続人の療養監護等を行った場合には、相続人に対して金銭を請求することができるようになりました。

4.婚姻期間20年以上の夫婦間の居住用不動産の贈与に関する優遇措置(2019年7月1日施行)

 婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈や贈与がされた場合に、今までは遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして、相続財産に持ち戻しをする必要がありましたが、現在は免除され、その必要がなくなりましたので、配偶者はより多くの遺産を取得することができるようになりました。

5.配偶者居住権・配偶者短期居住権の創設(2020年4月1日施行)

 配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身または一定の期間、その建物に無償で居住することができるようになりました。

6.自筆証書遺言の方式の緩和(2019年1月13日施行)

 これまでは遺言書の全文を自書する必要がありましたが、法施行後は、パソコンで財産目録を作成したり、預金通帳のコピーを添付するなどして財産目録を自書する必要がなくなりました。(ただし、財産目録の各頁には署名と押印が必要。)

7.法務局における自筆証書遺言書の保管制度(2020年7月10日施行)

 自筆証書遺言の作成者は、法務局に遺言の保管を申請することができるようになりました。
 自筆証書遺言を法務局に預けて、画像データ化して保管する制度となります。

8.遺産分割協議の期限の設定(2023年4月1日施行)

 相続開始から10年を過ぎると、原則として民法上の法定相続分又は指定相続分で分割し、特別受益や寄与分が考慮されなくなります。

9.戸籍証明書等の広域交付制度(2024年3月1日施行)

 本籍地が福井市以外にある方でも、市役所の窓口で戸籍全部事項証明書等の請求ができるようになりました。また、必要な戸籍の証明書の本籍地が全国各地にあっても、市役所の窓口でまとめて請求することができるようになりました。

10.相続登記の申請義務化(2024年4月1日施行)

 相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に、遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければならなくなりました。なお、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となるようです。

以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。               これらの制度について、興味のある方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。

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